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東京エリアの新築・中古マンション相場価格は?今後の展望も考察

不動産のプロが東京エリアの新築・中古マンションの相場価格を解説

東京都で中古マンションの売却を検討している方のなかには、今後の市場動向を知っておきたい方もいるでしょう。

2024年現在、東京都におけるマンション相場は新築・中古ともに上昇傾向にあります。マンションを高値売却するには、相場を把握し、売出価格を設定することが欠かせません。

この記事では、東京エリアの新築・中古マンションの相場価格などを解説します。

目次

【2024年】東京における新築・中古マンション価格の相場

【2024年】東京における新築・中古マンション価格の相場

東京における新築・中古マンションの相場価格は、近年値上がり状態が続いており、価格の推移から見ると今後も穏やかに上昇すると予想されています。

しかし、金利政策の動きや住宅ローン控除率の低下などによって下落する可能性もあるため、その点も踏まえて押さえておきましょう。

マンション価格の推移

国土交通省が公表している「不動産価格指数」を見ると、分譲マンションの価格推移は上昇傾向にあることが分かります。不動産価格指数とは、年間約30万件の不動産の取引価格情報をもとに動向を指数化したものです。

2023年9月時点では住宅総合が135.6であるのに対し、マンションは193.5になっています。中古マンションの価格が高騰する理由はさまざまですが、主な理由は以下のとおりです。

  • マンション建設費用の高騰
  • 購入者の購入意欲の上昇
  • 円安による海外投資家の増加

ウクライナ侵略によって海外から輸入する木材の価格が高騰し、新築マンションの建設費用が高くなるのに便乗する形で、中古マンションの相場も上昇しています。新築マンションの高騰が続くかぎりは中古マンションの相場も値上がりするでしょう。

共働き世帯の増加に伴い住宅ローンの借入上限額が上がっています。買主の購入意欲が高まったことによる中古マンションの需要増加も、相場価格の高騰につながっているのです。

日本の不動産は以前より海外投資家から注目を集めており、円安が加速したことで投資用物件として購入する方がさらに増加しました。

新築・中古マンション価格が上昇を続けると日本国民は購入が難しくなりますが、海外投資家への需要が衰えないかぎりは不動産価値も下がらず、今後も上昇することが予想されます。

※出典:国土交通省『不動産価格指数

金利政策に動きに注意が必要

新築・中古ともにマンション価格は上昇を続けることが予想されますが、絶対とは言い切れません。

日本銀行は2022年12月下旬に長期金利の変動許容幅を0.25%から0.5%に引き上げました。そのわずか3ヶ月後の2023年7月には、最大1.0%までの上昇を容認しています。

さらに、10月31日の金利政策決定会合では最大1.0%を上限としていた長期金利の変動許容幅を再修正し、1.0%を一定程度超えることを容認すると発表しました。

上記のように突然金利が上昇すると、住宅ローンの返済に耐えられない方が出てきます。中古マンションの売却数が増えると供給数も増えるため、場合によっては中古マンションの価格が下がることも考えられます。

中古マンションの価格は築年数や立地によっても大きく異なりますが、金利緩和や世界の動向は常にチェックする必要がありそうです。

住宅ローン控除率が下がっている

2022年4月の税制改正によって、住宅ローン控除率は1%から0.7%に引き下げられました。

これまで13年特例で最大480万円(10年目まで400万円、11年目〜13年目まで80万円)まで受けられていた控除が、改正後は2023年12月31日までの入居で、273万円(年21万円×13年)までしか受けられなくなりました。

さらに2024年~2025年に「その他の住宅」に入居する場合、2023年までに新築の建築確認を受けていないと住宅ローン控除を受けることができなくなります。

固定金利の上昇とあわせて住宅ローン控除率も減少してしまうと、マンション購入をためらう要素になりかねません。価格を高くしたままでは売れないため、値下がりする可能性もあります。

東京の平均売却価格

東日本不動産流通機構の「レインズデータライブラリー全国版」を見ると、2023年12月時点における東京都の中古マンションの平均売却価格は、5,892万円です。

平均売却価格と㎡単価、専有面積、築年数を以下の表にまとめました。ただし、東京都内でも売却価格にはばらつきがあるため、あくまで参考としてご覧ください。

東京の中古マンションの売却相場

平均売却価格 5,892万円
㎡単価 98.60万円/㎡
専有面積 159.76㎡
築年数 22.76年

東京都の新築マンションの平均売却価格は、不動産経済研究所の「首都圏新築分譲マンション市場動向2023年11月」によると、東京23区で12,811万円、東京23区外で5,062万円です。

東京の新築マンションの売却相場

東京23区 東京23区外
平均売却価格 12,811万円 5,062万円
㎡単価 198.1万円/㎡ 75.1万円/㎡

 東京23区の中古マンションの相場価格を間取り別に紹介

東京23区の中古マンションの相場価格を間取り別に紹介

ここでは、「REINS Market Information」を参考に、東京23区の中古マンションの相場価格を間取り別に紹介します。

1LDKの中古マンション相場価格

東京23区における1LDKの中古マンションの相場価格を、一覧にまとめています。

千代田区 7,010万円
中央区 5,410万円
港区 1億1,440万円
新宿区 4,300万円
渋谷区 7,960万円
墨田区 3,580万円
江東区 5,200万円
足立区 3,010万円
葛飾区 2,320万円
江戸川区 3,170万円
文京区 6,340万円
台東区 4,040万円
豊島区 3,610万円
北区 3,860万円
荒川区 3,860万円
中野区 4,700万円
杉並区 4,210万円
板橋区 2,870万円
練馬区 3,210万円
品川区 6,190万円
目黒区 6,760万円
大田区 4,090万円
世田谷区 5,870万円

1LDKの中古マンションで最も価格が高いのは、港区の1億1,440万円でした。相場がお手頃なのは、葛飾区の2,320万円、板橋区の2,870万円、足立区の3,010万円であり、一人暮らしの方におすすめです。

なお、総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」によると、港区におけるワンルーム賃貸マンション(非木造29㎡以下)の平均家賃は約96,000円でした。

仮に50年間賃貸した場合、単純計算すると(96,000円×12ヶ月)×35年間=5,760万円のため、安さのみを求めるなら賃貸物件がお得かもしれません。ただし、賃貸物件は分譲よりも設備面で劣る可能性があります。

2LDKの中古マンション相場価格

東京23区における2LDKの中古マンションの相場価格を、一覧にまとめています。

千代田区 1億2,590万円
中央区 8,130万円
港区 1億2,670万円
新宿区 8,170万円
渋谷区 1億1,060万円
墨田区 5,190万円
江東区 6,780万円
足立区 4,420万円
葛飾区 3,730万円
江戸川区 3,670万円
文京区 8,080万円
台東区 6,510万円
豊島区 6,200万円
北区 5,310万
荒川区 3,990万円
中野区 5,190万円
杉並区 6,040万円
板橋区 3,360万円
練馬区 5,110万円
品川区 7,380万円
目黒区 7,370万円
大田区 5,560万円
世田谷区 7,825万円

2LDKの中古マンションで最も価格が高いのは、港区の1億2,670万円であることが分かりました。

相場がお手頃なのは、板橋区の3,360万円、江戸川区の3,670万円、葛飾区の3,730万円です。

3LDKの中古マンション相場価格

東京23区における3LDKの中古マンションの相場価格を、一覧にまとめています。

 

千代田区 1億6,680万円
中央区 1億2,220万円
港区 1億9,050万円
新宿区 1億950万円
渋谷区 1億2,720万円
墨田区 6,530万円
江東区 6,870万円
足立区 4,520万円
葛飾区 4,340万円
江戸川区 4,240万円
文京区 8,860万円
台東区 6,420万円
豊島区 1億220万円
北区 5,940万円
荒川区 5,650万円
中野区 7,530万円
杉並区 8,050万円
板橋区 5,270万円
練馬区 5,920万円
品川区 9,360万円
目黒区 1億1,000万円
大田区 6,770万円
世田谷区 8,160万円

3LDKの中古マンションで最も価格が高いのは港区の1億9,050万円であることが分かりました。相場がお手頃なのは、江戸川区の4,240万円、葛飾区の4,340万円、足立区の4,520万円です。

今後の推移はどうなる?

今後の推移はどうなる?

結論からお伝えすると、今後も東京都における新築・中古マンションの相場価格は緩やかに上昇を続けると考えられます。ここでは、3つの要素に分けて解説します。

都心部のマンションは価格が上がりやすい

不動産経済研究所によると、2023年1〜6月は都心を中心に平均価格が1億を超える新築マンションが相次ぎ登場し、契約状況は非公開ながら順調に売れていることが分かりました。

ここまで高額だと購入できる人は一握りですが、購入者がいることによって、中古マンションの相場価格を促進させています。今後も都心を中心にこのような高額マンションが建築されれば、資産価値の上昇は続いていくでしょう。

再開発・建て替えエリア

東京都内でも再開発・建て替えエリアは今後話題になっていくことが予想されます。

具体的には、2025年にかけて進行中の「高輪ゲートウェイ駅」開業や2027年度完成予定の「渋谷駅周辺再開発プロジェクト」や「東京駅前常盤橋プロジェクト」など、他にもさまざまなエリアで再開発プロジェクトが進行しています。

これらの大規模な再開発によって、より立地の資産価値が高められ、周辺にある中古マンションの価格も高騰すると考えられます。

需要は減らない

マンション価格に影響を与える要素の1つに地価の変動があります。マンション需要に影響を与えるような大きな地価の変動は見られないため、現在の金利や税制が続けば東京都内のマンション需要は減らないと考えられます。

新型コロナウイルスによる住宅需要への影響を懸念し、新築マンションの供給数は減少傾向にありました。しかし、地価が下がらないにも関わらず購入されているということは、新築・中古ともにマンション需要が減っていないといえます。

高く売れやすい不動産の特徴

高く売れやすい不動産の特徴

ここでは、東京で高く売れやすいマンションの特徴を紹介します。

人気の高い区にある

東京23区内であればいずれのエリアも人気がありますが、特に交通の利便性が良いとされる港区や新宿区、渋谷区、中央区、千代田区などの人気の高い区に位置するマンションは、高値で取引きされる傾向にあります。

一般的に、築年数の経過した中古マンションは資産価値が下がりますが、人気の高い区にあり、適切にメンテナンスが行われていれば高値売却を狙うことが可能です。

人気のタワマンやおしゃれなデザイナーズマンション

東京都のマンション売却で、特に高値売却を狙いやすいのがタワーマンションです。タワーマンションは周辺環境が充実している傾向にあり、資産価値を維持しやすい特徴があります。港区や中央区、品川区などはタワーマンションが多く建ち並んでいます。

また、建築家やデザイナーによって特定のコンセプトに沿って建てられたデザイナーズマンションも、資産価値を維持しやすく高値売却できる傾向にあります。

ただし、デザイナーズマンションの場合は、決められたコンセプトが万人受けしないこともあるため、ニーズが限られるケースも少なくありません。

災害が発生しにくいエリアにある

日本は地震や台風などの自然災害が起こりやすい地域であるため、マンションの所在地が災害の影響を受けにくいかどうかも重要なポイントとなります。これを確認する手段が、自然災害が発生した場合の強さや範囲を地図に示した「ハザードマップ」です。

自治体が作成した「わがまちハザードマップ」や国土交通省が提供している「重ねるハザードマップ」などを利用して、販売を検討しているマンションがどのエリアに位置するかを事前に確認しておきましょう。

一般的に、自然災害に強い建物の構造や安全設備が整ったマンションのほうが、買主に選ばれやすくなります。

まとめ

まとめ

東京エリアの新築・中古マンションの相場価格は上昇傾向にあります。

今後も金利政策や世界の動向に大きな変化がない限り、価格は上昇していくでしょう。とはいえあくまでも予想であり将来については断言できないため、売却タイミングについては、自分や家族のライフプランに合わせることをおすすめします。

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