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中古マンション価格相場の調べ方とは?売却推移も合わせて解説!

不動産のプロが中古マンション価格相場の調べ方や売却推移を解説

中古マンションの売却を検討している方のなかには、売出価格をいくらで設定したらよいか分からない方も多いでしょう。少しでも高く売却したいからといって、相場よりも高すぎる価格で販売すると売れ残るリスクがあります。

一方で相場より安く設定すると値下げ交渉によって損をしてしまうかもしれません。

そこでこの記事では、中古マンション価格相場の調べ方や2024年の最新状況などを紹介します。

目次

中古マンション相場の調べ方

中古マンション相場の調べ方

中古マンションの相場を調べる際は、売出価格だけでなく成約価格を調べることも大切です。

成約価格とは、実際に中古マンションが取引された価格を指します。中古マンションの取引では、買主から値引き交渉が行われやすいため、成約価格は売出価格よりも下がるケースは少なくありません。

また、中古マンションの売出価格や成約価格とともに市況を調べることで、より相場を把握しやすくなります。ここでは、中古マンションの相場の調べ方を紹介します。

不動産ポータルサイト

不動産ポータルサイトは、実際に売り出されているマンションの価格や間取り、築年数などの情報を閲覧できるサイトです。

掲載されている売出価格のまま成約するとは限りませんが、売却予定の中古マンションと類似のマンションがいくらで売り出されているのかを見ることで、相場を把握することが可能です。

代表的なポータルサイトには「SUUMO」や「at Home」などがあり、エリアや築年数、床面積を指定したうえで検索すると、簡単に売出価格を比較できます。

土地総合情報システム

土地総合情報システム」は、国土交通省が過去に不動産取引の経験がある方を対象にアンケートを行い、その結果をデータベース化したものです。

四半期ごとに取引情報が掲載されており、マンションはもちろん、土地のみの取引履歴も確認できます。

ただし、田舎などの取引事例が少ないエリアでは、提示されるデータの精度が粗くなってしまうことに注意が必要です。

利用の際は、不動産取引価格情報検索のページから、取引時期、種類、地域の3つを指定すると、取引価格や土地面積、建物面積などの情報を閲覧できます。

中古マンションの売却を予定している方は、類似マンションの取引情報を集めることで相場を把握することが可能です。

レインズマーケットインフォメーション

レインズマーケットインフォメーション」は、国土交通省に指定された不動産流通機構が運営しており、過去1年間の成約事例が掲載されています。

実際にレインズに登録された情報のうち顧客情報が隠されたものを閲覧できるため、より精度の高いデータになっているのが特徴です。

利用の際は、建物の種類をマンションに指定し、地域詳細や沿線、最寄り駅などを選択することで相場を調べられます。

東京カンテイ

東京カンテイ市況レポート」は、全国にあるマンションの図面や価格情報などが閲覧できるサイトであり、市況を調べるのに役立ちます。

例えば「価格天気図」は、全国の中古マンションの価格動向を天気マークで表しているため、市況の動向を直感的に理解することが可能です。

その他にも、「沿線別・駅別価格」や「70㎡換算価格推移」などさまざまな視点から、中古マンションの市況や相場を調べられます。

価格の決まり方

価格の決まり方

中古マンションの売出価格は売主と不動産会社が相談して決めるため、新築マンションのように定価があるわけではありません。そのため、中古マンションは築年数や立地、間取りなどを総合的に見て、価格を設定するのが一般的です。

ここでは、中古マンションの相場価格に影響を与える要素について解説します。

築年数

一般的に、新築・中古問わずマンションは築年数が経過するほど相場価格が下がります。

東日本不動産流通機構の「首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2023年10〜12月】」をもとに、首都圏における築年数ごとのマンションの売却相場をまとめました。

築年数 売却相場
~築5年 7,532万円
築6年~築10年 6,911万円
築11年~築15年 6,341万円
築16年~築20年 5,724万円
築21年~築25年 5,222万円
築26年~築30年 3,696万円

※出典:東日本不動産流通機構の「首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2023年10〜12月】

上の表は首都圏のデータになりますが、築年数の経過によるマンション相場価格の減少は、基本的にどの都道府県であっても大きな違いはありません。そのため、高値売却を狙う場合は新築とほとんど大差のない築10年以内での売却をおすすめします。

立地

築年数の経過によって建物部分の価値が減少した中古マンションは、立地が資産価値を左右します。資産価値の落ちにくい立地条件のポイントは、主に以下の5つです。

  • 交通利便性が良い
  • 生活利便性が良い
  • 居住環境が良い
  • 災害リスクが低い
  • 再開発エリア

一般的に同じエリアであっても、「駅から近い」「徒歩圏内で生活必需品が揃う」といった交通利便性や生活利便性の高いマンションは、新築・中古問わずに人気があります。

不動産経済研究所によると、2023年は東京都内を中心に平均価格が1億を超える新築マンションが相次ぎ登場しましたが、交通利便性に優れた新築マンションの需要は高く、契約状況は非公開ながら順調に売れていることが分かりました。

また、「子育てがしやすい」「街並みに風情がある」といった居住環境が良い中古マンションも資産価値が高くなります。

東京都内であれば、閑静な住宅街が広がる荻窪や吉祥寺、町田市などがおすすめです。

首都圏であれば神奈川県の綱島や新百合ヶ丘、たまプラーザ駅周辺など、交通と生活の利便性を備えながら居住環境も良好であるエリアが注目されています。

間取り・設備

間取りや設備などの室内環境も、中古マンションの相場価格に影響します。

一般的に売れやすい間取りは、夫婦やファミリー層に人気のある2LDKや3LDKですが、単身者に人気のエリアであれば居住環境よりも交通や生活の利便性を重視する傾向にあるため、ワンルームが注目を集めるケースも少なくありません。

また、設備の状態もマンション価格を左右します。基本的にリフォームは不要ですが、あまりにも設備の故障や内装の損傷などが激しいマンションであれば、新築と同じくらいにグレードアップすることで高値売却できる可能性が高まります。

首都圏における中古マンション価格相場の推移

首都圏における中古マンション価格相場の推移

首都圏における中古マンションの価格相場は、上昇傾向にあります。東日本不動産流通機構が公表している「首都圏不動産流通市場の動向(2023年)」によると、2013〜2023年の10年間一度も下落することなく上がり続けていることが分かりました。

価格相場(万円) ㎡単価(万円)
2013 2,589 39.96
2014 2,727 42.50
2015 2,892 45.25
2016 3,049 47.92
2017 3,195 50.00
2018 3,333 51.61
2019 3,442 53.45
2020 3,599 55.17
2021 3,869 59.81
2022 4,276 67.24
2023 4,575 71.90

一般社団法人不動産協会が公表している「不動産関連データ」内の新築マンション1戸当たり平均価格の推移を見ると2022年が6,288万円のため、新築マンションと中古マンションの売却価格の差はそれほど大きくありません。

東京都内で売れやすい高く売れる中古マンションの特徴

東京都内で売れやすい高く売れる中古マンションの特徴

東京都内で高く売れるマンションの特徴は以下のとおりです。

ビジネスの拠点が集まるエリア

東京23区内であればどのエリアの新築・中古マンションでも高く売れますが、特にビジネスの拠点が集まる千代田区や中央区、港区、台東区、墨田区などは高値売却が狙えます。

錦糸町は繁華街として有名ですが、駅周辺には商業施設や公園があり、住みやすい街でもあります。

利便性や治安の良いエリア

交通や生活の利便性が高いエリアは、目黒区や品川区、世田谷区、足立区などが挙げられます。

このエリアも、新築・中古マンションの高値売却が狙えます。世田谷区の桜新町・下北沢・三軒茶屋や練馬区の江古田・小竹向原、足立区の北千住などは閑静な住宅街が並ぶ落ち着いた街であり人気です。

相場価格が上昇している理由

相場価格が上昇している理由

新築・中古マンションの相場価格は、築年数や立地のほかに、市場動向や経済事情などにも影響を受けます。ここでは、マンションの相場価格が上昇している理由を解説します。

マイナス金利政策が続いているから

2016年にマイナス金利政策が日銀によって導入されたことで住宅ローン金利が下がり、マンション購入者が増えました。その結果、新築・中古を問わずマンション需要が増加したことで相場価格が上昇しています。

2023年10月には金利政策決定会合で、長期金利の変動許容幅を「1.0%を一定程度超えることを容認する」と発表されましたが、変動金利は短期金利に連動していることや、安定的な2%の物価上昇を目指すと示していることなどから、直近で変動金利が上昇する可能性は高くありません。

突然マイナス金利政策が終了する可能性もありますが、しばらくは低金利が維持される見通しのため、今後もマンション相場価格の上昇は続くでしょう。

円安が続いているから

円安が続いていることも、新築・中古マンションの相場価格が上昇を続ける要素の1つです。

特に、資産価値の高い首都圏のマンションは円安によってお得に購入できるため、海外投資家が購入する動きを後押ししています。

今後も円安が続くかぎりは海外投資家によるマンション購入が予想され、マンション相場価格の高騰も続く可能性が高いといえるでしょう。

新築マンションの相場価格が高騰しているから

建築費や人件費の値上がりによって、新築マンションの相場価格が高騰しています。中古マンションは新築マンションの相場価格に比例するため、新築マンションが高騰を続けるかぎりは、中古マンションも相場が上がり続けるでしょう。

新築マンションの相場価格が高騰している理由としては、東京オリンピックにおける関連施設の建設ラッシュによって建築費が高騰したことや、ロシアによる各国への建材の輸出停止などが原因として挙げられます。

テレワークが普及したから

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけにテレワークが普及し、マンション需要が増加したことも相場価格が上昇した理由の1つです。

自宅でテレワークを行うには仕事部屋を確保する必要がありますが、手狭になった自宅から住み替えるために新築・中古マンションを購入する方が増えたことで、マンション価格が高騰しています。

売却のコツ

売却のコツ

ここでは、中古マンションを売却する際のコツを紹介します。

値引き交渉に備えて相場より少し高めに売却する

マンション売却の際は、相場より少し高めの価格に設定しましょう。

なぜなら、マンションの売出価格が相場より高すぎば売れ残るリスクがあり、反対に、安すぎても値引き交渉によって損をする恐れがあるからです。売出価格を設定する際は、相場に1割ほど追加するといいでしょう。

リフォームは不動産会社に相談する

少しでも高く売却しようと、自己判断でリフォームを行うのはおすすめできません。マンション内に気になる不具合がある場合でも、査定時に不動産会社に相談するのが賢明です。

なぜなら、リフォームをしたからといって、必ずしも工事費用を売出価格に上乗せできるとはかぎらないからです。

また、自分でリフォームをしたい買主も少なくないため、リフォームの実施は不動産会社に相談して決めましょう。

売れない場合は買取を検討する

築年数が古すぎる、立地が悪いなどの理由で売れない場合は、不動産買取を検討するのも1つの選択肢です。

不動産買取とは、不動産会社に直接マンションを買い取ってもらう取引形態をいいます。

買取であれば売りにくいマンションでも短期間で買い取ってもらえる可能性があり、買主が不動産会社のため周囲に知られにくいことがメリットです。

ただし、不動産買取は、市場で売却するよりも売却価格が低くなる傾向にあります。一般的には、市場における売却価格の7〜8割程度となることを覚えておきましょう。

まとめ

中古マンションの相場価格は、不動産ポータルサイトや土地総合情報システム、レインズマーケットインフォメーションなどで調べることが可能です。

2013年から2023年まで新築・中古ともに上昇傾向にありますが、今後どのように推移するのはか分かりません。

価格相場だけなく、ライフプランや貯蓄などを踏まえたうえで中古マンションの販売価格を決めましょう。

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