世田谷区のマンション売却や購入を検討している場合、価格相場や今後の市場動向の把握は欠かせません。
都内でも有数の高級住宅街である世田谷区は、購入を検討している方にとって金銭的なハードルが高く感じるものです。
そこでこの記事では、世田谷区のマンション売却価格の相場や住みやすさ、今後の価格推移について紹介します。また、世田谷区の賃貸物件の家賃相場もまとめているため、参考にしてください。
特徴・住みやすさ
ここでは、世田谷区の新築・中古マンション購入や住み替えを検討している方に向けて、特徴や住環境の魅力を紹介します。
- エリアによって変わる雰囲気
- 良好な交通アクセス
- 自然豊かな環境
- 充実した買い物施設
エリアによって変わる雰囲気
世田谷区は高級住宅地として知られていますが、エリアによって雰囲気が異なります。
成城は代表的な高級住宅地であり、富裕層が住んでいることもあって高級食材を取り扱うスーパーが多い印象です。
下北沢は劇場やライブハウス、古着屋、雑貨屋などが立ち並び、独自文化が形成されています。
三軒茶屋は駅周辺に外食できるスポットが多く、外食好きにおすすめです。おしゃれなカフェやバーから、昔ながらの大衆居酒屋まで幅広くカバーされています。
桜新町は渋谷に近いエリアにも関わらず、閑静な住宅地が広がっている点が特徴です。近年再開発が進む二子玉川は大型商業施設やタワーマンションが新築されたことで注目されている一方で、多摩川沿いには豊かな自然も残っています。
このように世田谷区はエリアによって異なる魅力を持つ街であり、どのような雰囲気の街に住みたいのかを選べる楽しさがあります。
良好な交通アクセス
世田谷区内には東急・小田急・京王を含む7つの路線が通り、渋谷・新宿から品川・大井町まで幅広くアクセス可能です。
また、10路線に及ぶコミュニティバスも運行しているため、電車では到達しづらいエリアへのアクセスも難しくありません。
さらに、車での移動の際は、国道246号線や環状八号線・七号線をはじめとする幹線道路があり、移動手段は豊富です。
自然豊かな環境
世田谷区は都心にアクセスしやすいだけでなく、自然を満喫できる環境に恵まれている点が人気の秘密です。
具体的には「多摩川」や「等々力渓谷」、「駒沢公園」、「砧公園」など多彩な自然スポットがあります。
街路樹や建物の緑化にも積極的に取り組んでおり、「世田谷みどり33」計画でみどり率を引き上げることに力を入れています。
充実した買い物施設
世田谷区は充実した各種施設が特徴で、買い物や娯楽に便利です。
駅前商店街や大型商業施設が多く、どこに住んでいても買い物が手軽にできます。メディアで紹介されるような飲食店も少なくありません。特に下北沢や三軒茶屋、桜新町などのエリアは外食好きの方や一人暮らしの方におすすめです。
また、年2回行われる「世田谷のボロ市」も地域の賑わいを楽しむイベントの一つです。そこでは、日用品や装身具・玩具など多くの露店が並ぶほか、代官行列などの催しが行われます。
世田谷区の中古マンション売却相場価格
ここでは、東京都世田谷区の中古マンション売却相場価格を紹介します。
間取り別の中古マンション売却相場価格ランキング
「REINS Market Information」を参考に、東京23区におけるマンション売却価格の相場を間取り別にランキング形式で10位までまとめました。世田谷区と他区のマンション価格を比較しましょう。
1LDK | 2LDK | 3LDK | |
---|---|---|---|
1位 | 港区:1億1,440万円 | 港区:1億2,670万円 | 港区:1億9,050万円 |
2位 | 渋谷区:7,960万円 | 千代田区:1億2,590万円 | 千代田区:1億6,680万円 |
3位 | 千代田区:7,010万円 | 渋谷区:1億1,060万円 | 渋谷区:1億2,720万円 |
4位 | 目黒区:6,760万円 | 新宿区:8,170万円 | 中央区:1億2,220万円 |
5位 | 文京区:6,340万円 | 中央区:8,130万円 | 目黒区:1億1,000万円 |
6位 | 品川区:6,190万円 | 文京区:8,080万円 | 新宿区:1億950万円 |
7位 | 世田谷区:5,870万円 | 世田谷区:7,825万円 | 豊島区:1億220万円 |
8位 | 中央区:5,410万円 | 品川区:7,380万円 | 品川区:9,360万円 |
9位 | 江東区:5,200万円 | 目黒区:7,370万円 | 文京区:8,860万円 |
10位 | 中野区:4,700万円 | 江東区:6,780万円 | 世田谷区:8,160万円 |
高級住宅街というイメージのある世田谷区ですが、人気が湾岸エリアに偏っているため、23区内の中で見るとそれほど高くありません。
エリアごとのマンション売却相場価格
こちらも「REINS Market Information」を参考に、世田谷区におけるエリアごとのマンション売却相場価格(1LDK)を一部まとめました。
世田谷区のエリア名 | マンション売却価格 | ㎡単価 |
---|---|---|
笹塚 | 2,400万円 | 64万円/㎡ |
成城学園前 | 9,000万円 | 97万円/㎡ |
学芸大学 | 4,800万円 | 91万円/㎡ |
自由が丘 | 4,100万円 | 78万円/㎡ |
九品仏 | 8,200万円 | 99万円/㎡ |
尾山台 | 1億1,600万円 | 125万円/㎡ |
池尻大橋 | 3,100万円 | 73万円/㎡ |
三軒茶屋 | 6,200万円 | 99万円/㎡ |
駒澤大学 | 5,600万円 | 97万円/㎡ |
桜新町 | 3,700万円 | 64万円/㎡ |
東京都の新築・中古マンション売却相場価格
以下の表は、東京都の新築・中古マンションの売却相場価格をまとめたものです。
東京23区 | 23区外 | |
---|---|---|
新築マンション | 9,110万円 | 5,816万円 |
中古マンション | 5,827万円 | 3,401万円 |
※出典:不動産経済研究所「マンション市場動向」
東日本不動産流通機構「中古マンションの区市町村別成約状況[2022年度]」
世田谷区の中古マンション価格は1LDKで5,870万円、2LDKで7,825万円、3LDKで8,160万円でした。
そのため、「東京23区の中古マンション」と「23区外の新築マンション」が世田谷区の1LDKと価格が近いことが分かります。
世田谷区の賃貸物件の家賃相場
世田谷区への居住を検討している方の中には、分譲マンションではなく賃貸物件を探している方もいるのではないでしょうか。
マンション売却を検討している方にとっても、投資用物件として売り出したときにいくらの値が付くのか気になるところです。
以下では総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」をもとに、一人暮らし用ワンルームから3LDK程度の広さに分けて表にまとめています。
- ワンルーム:29㎡以下
- 1LDK:30~49㎡以下
- 2LDK:50~69㎡以下
- 3LDK:70~99㎡以下
間取り | 賃貸物件の家賃相場 |
---|---|
ワンルーム | 7万2,445円 |
1LDK | 10万2,673円 |
2LDK | 13万70円 |
3LDK | 15万8,661円 |
世田谷区の中古マンション価格は2LDKで7,825万円でした。
仮に2LDKを40年間賃貸した場合、単純計算すると(約13万円×12ヶ月)×40年間=約6,240円のため、価格を抑えたい方には賃貸物件のほうがお得かもしれません。
世田谷区のマンション売却価格は今後どうなるのか
世田谷区のマンション売却・購入を検討している方に向けて、今後の売却価格の推移を予想します。売り時・買い時を見極めるための参考にしてください。
マンション価格の推移
マンション価格は、2013年から継続して右肩上がりに推移しています。
国土交通省が毎月公表している「不動産価格指数」を見ると、一戸建てと比べても圧倒的にマンション価格が大きく上昇していることが分かるでしょう。なお、不動産価格指数とは、年間約30万件の不動産の取引価格情報をもとに動向を指数化したものです。
2019年末頃から感染拡大した新型コロナウイルス禍でも、リモートワークの普及による住宅需要の増加や、物流の停滞に伴う新築の物件価格の高騰などによって、不動産価格指数は伸び続けています。
したがって、2024年はマンション売却に適したタイミングといえるでしょう。また、今後いきなり不動産価格が暴落するとは考えにくいため、物件価格の値下がりを待つのは得策とはいえません。
家族構成や年齢、仕事の状況などを加味して、自分の購入したいタイミングで行動しましょう。
※出典:国土交通省「不動産価格指数」
人口の推移
世田谷区の今後の人口動向から、不動産価格の変化を予想できます。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」をもとに、世田谷区の人口推計をまとめました。
2025年 | 2030年 | 2035年 | |
---|---|---|---|
総計 | 92万737人 | 92万5,611人 | 92万6,681人 |
30~50歳未満 | 24万8,560人 | 23万4,539人 | 22万7,362人 |
総計では、2025年から2035年にかけて徐々に人口が増加していくと予想されています。
しかし、マイホームを購入する年代である30~50歳未満の人口は、同時期に約2万人も減少することが分かります。
したがって、長期的に見ると世田谷区の物件価格は低下する可能性があります。とはいえ、世田谷区は元々住宅価格が高いため、低下といっても大きく下落することはほとんどないでしょう。
新築・中古マンション価格相場の調べ方
ここでは、新築物件と中古物件に分けて、マンション売却価格の相場の調べ方に分けて紹介します。
新築物件の場合
新築物件の売却価格の相場を調べる方法は、主に以下のとおりです。
- マンションギャラリーで直接聞く
- スーモやアットホームで確認する
- 新築マンションの公式サイトで確認する
新築マンションの売却価格の相場は、各デベロッパーの公式サイトから確認できます。
例えば、二子玉川駅から徒歩6分に位置する「二子玉川ライズ タワー&レジデンス」に興味がある場合、物件名を直接検索することで公式サイトにアクセスすることが可能です。
物件概要欄が設けられているため、そこから物件の販売価格をチェックしましょう。
中古物件の場合
中古物件の売却価格の相場を調べる方法は、主に以下のとおりです。
- スーモやアットホームなどの不動産ポータルサイトで確認する
- 不動産情報ライブラリやレインズマーケットインフォメーションを利用する
- 不動産会社に査定依頼をする
不動産ポータルサイトは賃貸物件を調べる際にも利用するため、馴染みのある方が多いでしょう。エリアや間取り、築年数などの条件を入力して検索することで、売り出されている物件のおおよその価格が把握できます。
世田谷区における人気物件
ここでは、東京都世田谷区における人気物件をまとめています。
- 東京テラス(千歳烏山駅徒歩16分)
- 久我山ガーデンヒルズ(久我山駅徒歩15分)
- トワイシア用賀エアリーレジデンス&パークレジデンス(用賀駅徒歩4分)
- 二子玉川ライズ タワー&レジデンス(二子玉川駅徒歩6分)
- ザ・パークハウス経堂レジデンス(経堂駅徒歩9分)
まとめ
世田谷区は二子玉川エリアなど高級住宅街のイメージがありますが、人気物件が湾岸エリアに偏っているため、23区内の中ではそれほど高くないことが分かりました。
物件価格は今後も緩やかに上昇していくことが予想されますが、人口減少に伴い10年先には下がっていくこともあり得ます。
売却・購入を検討している方は、ライフスタイルの変化や金利政策などの状況を把握しながらタイミングを見極めましょう。
世田谷区以外の東京エリアのマンション価格相場を知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください!