不動産のプロが文京区のマンション売却相場価格を解説

東京都文京区で新築・中古マンション売買を検討している方にとって、価格相場や今後の市場動向の把握は欠かせません。

小石川や関口、目白台、白山、本駒込などの高級住宅街を擁する一方で、護国寺駅周辺などは閑静な住環境が確保されており、エリアによって売却相場価格は異なります。

この記事では、文京区のマンション売却相場価格や住環境の魅力、今後の価格推移について紹介します。

特徴・住みやすさ

ここでは、東京都文京区の新築・中古マンションの購入や住み替えを検討している方に向けて、特徴や住環境の魅力を紹介します。

• 教育機関が充実している
• 交通アクセスが良い
• 治安が良い

教育機関が充実している

東京都文京区には東京大学や筑波大学、お茶の水女子大学など有名大学をはじめとする教育機関が充実したエリアです。

区に教育施設が増えていくにつれて教育熱心な保護者が集まるようになり、「学問の街」として知られています。

交通アクセスが良い

東京都文京区内には東京メトロの6つの路線が通っており、都心へのアクセスに優れた交通網が整備されています。

池袋や新宿はもちろん、大手町や東京、永田町などのオフィス街への通勤も便利です。

治安が良い

文京区の犯罪件数は東京23区内の中でも低く、子育て世帯や単身女性の物件探しにも適しています。

主に住宅や学校が多く、娯楽施設などがほとんどないことが、治安の良さにつながっているのでしょう。

文京区の中古マンション売却相場価格

ここでは、東京都文京区の中古マンションの売却相場価格を紹介します。

間取り別の中古マンション売却相場価格

「REINS Market Information」をもとに、東京23区におけるマンション売却相場価格を間取り別にランキング形式で10位までまとめています。

	1LDK	2LDK	3LDK
1位	港区：1億1,440万円	港区：1億2,670万円	港区：1億9,050万円
2位	渋谷区：7,960万円	千代田区：1億2,590万円	千代田区：1億6,680万円
3位	千代田区：7,010万円	渋谷区：1億1,060万円	渋谷区：1億2,720万円
4位	目黒区：6,760万円	新宿区：8,170万円	中央区：1億2,220万円
5位	文京区：6,340万円	中央区：8,130万円	目黒区：1億1,000万円
6位	品川区：6,190万円	文京区：8,080万円	新宿区：1億950万円
7位	世田谷区：5,870万円	世田谷区：7,825万円	豊島区：1億220万円
8位	中央区：5,410万円	品川区：7,380万円	品川区：9,360万円
9位	江東区：5,200万円	目黒区：7,370万円	文京区：8,860万円
10位	中野区：4,700万円	江東区：6,780万円	世田谷区：8,160万円

文京区の中古マンションの売却相場価格は6,340万円〜8,860万円と、東京23区の中でトップ10にランクインするほど高いことが分かります。

エリアごとの売却相場価格

こちらも「REINS Market Information」を参考に、東京都文京区におけるエリアごとのマンション売却相場価格（1LDK）を一部まとめました。

文京区のエリア名	マンション売却相場価格	㎡単価
駒込	3,200万円	98万円/㎡
西日暮里	4,900万円	115万円/㎡
御茶ノ水	4,500万円	106万円/㎡
白山	5,000万円	95万円/㎡
新大塚	4,100万円	109万円/㎡
茗荷谷	5,000万円	118万円/㎡
後楽園	5,800万円	136万円/㎡
春日	2億700万円	267円/㎡
湯島	6,200万円	146万円/㎡
東大前	4,000万円	94円/㎡

文京区では春日エリアに人気が集中しており、物件価格は2億を超えています。

東京都の新築・中古マンション売却相場価格

以下の表は、東京都の新築・中古マンションの売却相場価格をまとめたものです。

	東京23区	23区外
新築マンション	9,110万円	5,816万円
中古マンション	5,827万円	3,401万円

※出典：不動産経済研究所「マンション市場動向」
東日本不動産流通機構「中古マンションの区市町村別成約状況［2022年度］」

文京区の中古マンションの売却相場価格は6,340万円〜8,860万円でした。東京23区の新築マンションの価格に近く、中古マンションより圧倒的に高くなっています。

分譲マンションの価格が高い理由は、小石川や関口、目白台、白山、本駒込などの高級住宅街の存在が考えられます。

大学のほか、小石川植物園や六義園等の旧大名屋敷跡地の庭園があり、閑静な住環境が確保されていることも人気の理由です。

文京区の賃貸物件の家賃相場

文京区は東京23区の中心に位置しており、東京大学やお茶の水女子大学などの教育機関が存在します。

学生や充実した教育環境を求める子育て世帯からの賃貸需要があるため、不動産投資の候補となりやすいエリアです。

以下では総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」をもとに、一人暮らし用ワンルームから3LDK程度の広さに分けて表にまとめています。

売却ではなく賃貸経営を検討している方や、購入か賃貸物件で迷っている方にとっても、参考になるでしょう。

• ワンルーム：29㎡以下
• 1LDK：30～49㎡以下
• 2LDK：50～69㎡以下
• 3LDK：70～99㎡以下

間取り	賃貸物件の家賃相場
ワンルーム	7万5,944円
1LDK	10万7,282円
2LDK	14万6,638円
3LDK	15万3,490円

東京都文京区の中古マンションの売却相場価格は、2LDKで8,080万円でした。

仮に2LDKを35年間賃貸した場合、単純計算すると（約15万円×12ヶ月）×35年間＝約6,300万円です。

何年住むかによっても物件価格は異なりますが、安さを重視する場合は賃貸物件のほうがお得かもしれません。

文京区のマンション売却価格は今後どうなるのか

東京都文京区のマンション売却や購入を検討している方に向けて、今が売り時・買い時なのか、マンション価格の推移や今後の動向について紹介します。

マンション価格の推移

国土交通省の「不動産価格指数」によると、分譲マンションの価格推移は上昇傾向にあります。

不動産価格指数とは、年間約30万件の不動産の取引価格情報をもとに動向を指数化したものです。

2024年1月時点では、住宅総合が138.8、マンションが197.9、一戸建てが118.2であり、マンション価格が高騰していることが分かりました。

理由としては、新築マンションの建設コストの上昇や、円安による海外投資家の増加などが挙げられます。

※出典：国土交通省「不動産価格指数」

不動産価格指数の推移から判断すると、今後も不動産価格は上昇する見込みです。

しかし、低金利政策の終了や住宅ローン控除率の引き下げを踏まえて、早めに売却・購入することも1つの選択肢といえます。

人口の推移

東京都文京区の今後の人口推移から、不動産価格の変化を予想できます。

国立社会保障・人口問題研究所の「日本の地域別将来推計人口（平成30（2018）年推計）」をもとに、文京区の人口推移をまとめました。

	2025年	2030年	2035年
総計	23万8,960人	24万4,655人	24万8,115人
30～50歳未満	7万1,997人	7万0,187人	6万8,261人

総計では、2025年から2035年にかけて人口増加が予想されています。しかし、マイホームを購入する年代である30～50歳未満の人口は、同時期に約4,000人減少する見込みです。

人口減少が見込まれれば不動産価格も低下することが考えられますが、文京区のような中心部のマンションは、郊外の物件価格が下がった後に下がり始めるでしょう。

文京区で子育て世帯に人気の物件は？

文京区で子育て世帯に人気の物件は、以下のとおりです。

まとめ

東京都文京区は、マンション売却相場価格・賃貸物件の家賃ともに23区内で見ると比較的高いことが分かりました。

物件価格の上昇は今後も緩やかに続きますが、人口減少によって10年後には郊外の物件価格が下がった後に下がることが予想されます。

売却・購入を検討している方は、金利政策の動向や家族のライフプランなどを加味して適切なプランを立てましょう。

東京エリアでのマンション売却を考えている方や住み替えを検討している方に向け、以下の記事では東京エリアのマンション売却相場を解説しています。

現在の市場動向やエリア別の売却価格の傾向、売却を成功させるためのポイントなど、具体的な情報が満載です。ぜひ参考にしてください。
東京エリアの新築・中古マンション相場価格は？今後の展望も考察