不動産のプロが港区のマンション売却相場価格を解説

東京都港区のマンション売却や購入を検討している方にとって、価格相場や今後の相場は気になるものです。

しかし、オフィス街だけでなく東京タワーなどの観光名所もある港区は相場が高く、東京都の中でも金銭的にハードルの高いエリアでもあります。

そこでこの記事では、東京都港区のマンション売却価格の相場や住みやすさ、今後の価格推移などについて紹介します。

港区の特徴・住みやすさ

ここでは、港区のマンション購入を検討している方に向けて、特徴や住みやすさを紹介します。

• 坂の街
• 交通アクセス
• ショッピング環境
• 子育て支援に優れている
• 豊富な公共施設の数々

坂の街

港区は、その地形から「坂の街」として知られています。

武蔵野台地と東京湾の埋め立て地で構成されており、西側から東側にかけて傾斜した地形が特徴です。

数多くの坂があり、区内には案内標識が立てられている場所だけで70か所以上あります。

そのほとんどが、赤坂地区、麻布地区、高輪地区に集中しています。アイドルグループの名前の元になった「乃木坂」や「日向坂」、「櫻坂」なども有名です。

交通アクセス

日本のビジネスの中心地である港区は、交通アクセスが良好です。

港区内を通る鉄道路線は、「JR東海道本線」や「東京メトロ」、「都営地下鉄」を含め、全16路線に及びます。

東京都内へのアクセスはもちろん、他県へも行きやすくなっている点が魅力です。特に、品川駅や東京駅といった交通の要所へのアクセスに優れています。新幹線を利用すれば、日本全国への移動も手軽に行えるでしょう。

ただし、運転手の送迎によって通勤するような富裕層が多い、高級住宅街の麻生には電車があまり通っていません。

ショッピング環境

港区は多彩なお店が国内外から集まるエリアとして知られ、大型商業施設やおしゃれな商店街が充実しています。

大型商業施設の例が、「六本木ヒルズ」です。映画館や美術館、展望台、ホテルなどが集まるこの複合施設は、ランドマークとしても知られています。

また、昔ながらの商店街も残っています。江戸時代から続く「麻布十番商店街」や明治時代に発足した「白金商店街」は老舗や最新グルメの店舗など、幅広いお店が並ぶ魅力的なスポットです。

このように港区はショッピング環境が充実しており、現代的な大型商業施設から昔ながらの商店街まで幅広い選択肢があります。日常のお買い物から特別な品物まで、満足のいくショッピングができるでしょう。

子育て支援

港区は、「子育てするなら港区」というスローガンを掲げ、さまざまな子育て支援策を展開しています。 2019年には待機児童ゼロを実現するなど、子育て世帯にとって暮らしやすいエリアといえるでしょう。

港区の代表的な子育て支援策には、児童手当の給付、産前産後の育児支援、子どもの一時預かりやショートステイサービス、子ども医療費助成などが挙げられます。

また、子育て交流会や子ども会など、区民のコミュニティの支援も行われているため情報交換も気軽に行えます。

駅から離れると閑静な住宅街があり、公園や歩道も綺麗に整備されている点が魅力です。

港区の中古マンション売却相場価格

ここでは、東京都港区の中古マンション売却価格・家賃を紹介します。

間取り別の中古マンション売却相場価格ランキング

「REINS Market Information」を参考に、東京都23区内における中古マンション売却の平均価格を間取り別にランキング形式でまとめました。

	1LDK	2LDK	3LDK
1位	港区：1億1,440万円	港区：1億2,670万円	港区：1億9,050万円
2位	渋谷区：7,960万円	千代田区：1億2,590万円	千代田区：1億6,680万円
3位	千代田区：7,010万円	渋谷区：1億1,060万円	渋谷区：1億2,720万円
4位	目黒区：6,760万円	新宿区：8,170万円	中央区：1億2,220万円
5位	文京区：6,340万円	中央区：8,130万円	目黒区：1億1,000万円

上記はあくまでの参考の数値になりますが、いずれの間取りでも東京都23区内で港区が最も高いことが分かりました。

町名ごとの中古マンション売却相場価格

こちらも「REINS Market Information」を参考に、港区における町名ごとのマンション売却相場価格（1LDK）を一部まとめました。

港区の町名	売却価格	㎡単価
新橋	5,700万円	152万円/㎡
浜松町	6,200万円	146万円/㎡
青山	2億6,800万円	370万円/㎡
品川	6,600万円	115万円/㎡
麻布十番	9,200万円	175万円/㎡
三田	6,500万円	153万円/㎡
六本木一丁目	1億8,000万円	267万円/㎡

東京都の新築・中古マンション売却相場価格

ここでは、東京都の新築・中古マンションの売却相場価格をまとめています。

	東京23区	㎡単価
新築マンション	9,110万円	5,816万円
中古マンション	5,827万円	3,401万円

※出典：不動産経済研究所「マンション市場動向」
東日本不動産流通機構「中古マンションの区市町村別成約状況［2022年度］」

港区の中古マンションは東京都の新築マンションと比べても圧倒的に高額であることが分かります。土地や物件数が限られる港区は、中古でも十分高く売却することが可能です。

港区の家賃相場

東京都港区でマンション購入を検討している方の中には、居住用ではなく投資用マンションを目的としている場合があります。外国人向けの高級タワマンの賃貸もあるため、家賃相場は高額になることがほとんどです。

総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」をもとに、以下の4つに分けて表にまとめています。

間取り	家賃相場
1K	9万7,596円
1LDK	18万5,520円
2LDK	24万1,942円
3LDK	29万9,778円

仮に2LDKを30年間賃貸した場合、単純計算すると（24万1,942円×12ヶ月）×30年間＝約8,700万円のため、価格を抑えたい方は賃貸物件のほうがお得かもしれません。

ただし、賃貸物件は分譲よりも設備面で劣る可能性があります。

今後の売却・購入の価格推移

東京都港区のマンション売却あるいは購入を検討している方に向けて、今が売り時・買い時なのか、マンション価格の推移や今後の動向について紹介します。

マンションの価格推移

国土交通省の「不動産価格指数」では、分譲マンションの価格推移は上昇傾向にあるとされています。不動産価格指数とは、年間約30万件の不動産の取引価格情報をもとに動向を指数化したものです。

2023年12月時点では、住宅総合の137.1に対して、マンションは196.2 となっており、マンション価格が高騰していることが分かりました。

マンション価格が高騰している理由として考えられるのは、主に以下の3つです。

※出典：国土交通省「不動産価格指」

価格の推移から見ると今後も穏やかに上昇することが予想されます。しかし、低金利政策の終了や住宅ローン控除率の引き下げを踏まえて、早めに売却・購入することも1つの選択肢です。

港区の人口推移

東京都港区の今後の人口動向から、不動産価格の変化を予想できます。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の地域別将来推計人口（平成30（2018）年推計）」をもとに、港区の人口推計をまとめました。

	2025年	2030年	2035年
総計	29万563人	30万6,009人	31万6,730人
30～50歳未満	9万9,005人	9万6,752人	9万4,276人

総計とは対照的に、マイホームを購入する年代の30～50歳未満の人口は減少すると予想されています。長期的に見ると、東京都港区の不動産価格は低下する可能性もあるでしょう。

人気のファミリーマンション

ここでは、東京都港区で人気のファミリーマンションをまとめました。港区はタワマンの多さが特徴的です。マンション購入を検討している方はぜひ参考にしてください。

まとめ

東京都の中でも港区のマンション売却相場価格・賃貸相場ともに高額であることが分かりました。

マンション価格の上昇は今後も続くことが予想されますが、人口推計を見ると今後10年にわたって新築・中古ともに高水準を維持するとは限りません。

売却・購入を検討している方は、ライフスタイルの変化や金利政策、年収などの状況を把握しながらタイミングを見極めましょう。

以下の記事では、東京エリアのマンション相場を詳しく解説しています。

港区以外のマンション相場が気になった方はぜひ参考にしてください。

東京エリアの新築・中古マンション相場価格は？今後の展望も考察