不動産のプロが練馬区のマンション売却相場価格を解説

練馬区で新築・中古マンションの売買を考えている方にとって、価格相場や将来の市場動向を把握することは重要です。

東京都の北西に位置し交通アクセスが良好な練馬区は、石神井公園や大泉学園などの高級住宅街を擁する一方で、少し歩けば閑静な住環境と自然が広がっています。

この記事では、練馬区のマンション売却価格相場や今後の価格推移などを紹介します。

練馬区でのマンション売却をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

練馬区の中古マンション売却相場価格

ここでは、東京都練馬区の中古マンション売却価格を紹介します。

間取り別の中古マンション相場価格

「REINS Market Information」をもとに、東京23区におけるマンション売却相場価格を、間取り別にランキング形式でまとめました。

練馬区は比較的価格水準が低い部類に属していたため、安い順にしています。

	1LDK	2LDK	3LDK
1位	葛飾区：2,320万円	板橋区：3,360万円	江戸川区：4,240万円
2位	板橋区：2,870万円	江戸川区：3,670万円	葛飾区：4,340万円
3位	足立区：3,010万円	葛飾区：3,730万円	足立区：4,520万円
4位	江戸川区：3,170万円	荒川区：3,990万円	板橋区：5,270万円
5位	練馬区：3,210万円	足立区：4,420万円	荒川区：5,650万円
6位	墨田区：3,580万円	練馬区：5,110万円	練馬区：5,920万円
7位	豊島区：3,610万円	墨田区：5,190万円	北区：5,940万円
8位	荒川区：3,860万円	中野区：5,190万円	台東区：6,420万円
9位	北区：3,860万円	北区：5,310万円	墨田区：6,530万円
10位	台東区：4,040万円	大田区：5,560万円	大田区：6,770万円

東京都練馬区の中古マンションの売却相場価格は3,210万円～5,920万円となっています。

東京23区の中では安い順に1LDKで5位、2・3LDKで6位であり、価格水準は高くありません。

なお、東京23区でマンション売却相場価格が高い区を3位までまとめています。

	1LDK	2LDK	3LDK
1位	港区：1億1,440万円	港区：1億2,670万円	港区：1億9,050万円
2位	渋谷区：7,960万円	千代田区：1億2,590万円	千代田区：1億6,680万円
3位	千代田区：7,010万円	渋谷区：1億1,060万円	渋谷区：1億2,720万円

エリアごとの売却相場価格

こちらも「REINS Market Information」を参考に、東京都練馬区におけるエリアごとのマンション売却相場価格（1LDK）を一部まとめました。

練馬区のエリア名	マンション売却価格	㎡単価
上板橋	1,600万円	34万円/㎡
江古田	3,900万円	92万円/㎡
桜台	1,600万円	43万円/㎡
練馬	2,200万円	52万円/㎡
豊島園	4,000万円	123万円/㎡
中村橋	4,000万円	94万円/㎡
石神井公園	2,900万円	77万円/㎡
練馬春日町	4,600万円	68万円/㎡
武蔵関	3,700万円	64万円/㎡
光が丘	3,600万円	85万円/㎡

練馬区では練馬春日町エリアの物件価格が比較的高くなっています。

東京都の新築・中古マンションの売却相場価格

以下の表は、東京都の新築・中古マンションの売却相場価格をまとめたものです。

	東京23区	23区外
新築マンション	9,110万円	5,816万円
中古マンション	5,827万円	3,401万円

※出典：不動産経済研究所「マンション市場動向」
東日本不動産流通機構「中古マンションの区市町村別成約状況［2022年度］」

練馬区の中古マンションの売却相場価格は3,210万円～5,920万円であり、東京23区外の新築・中古マンションと価格はほとんど変わりません。

石神井公園や大泉学園などの高級住宅街が存在するため、平均すると葛飾区や江戸川区、板橋区よりも高い価格水準になっています。

練馬区の賃貸物件の家賃相場

東京都練馬区は自然の多さと交通利便性が揃っており、子育て世帯や単身女性に住みやすいエリアです。

光が丘エリア、練馬エリア、石神井エリア、大泉エリアの主に4つに分かれますが、特に住環境が良好で新宿駅まで電車1本で着く光が丘駅は子育て世帯に人気があります。

以下では総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」をもとに、一人暮らし用のワンルームから3LDK程度の広さに分けて表にまとめています。

売却ではなく賃貸経営を検討している方や、購入か賃貸物件で迷っている方は、参考にしてください。

• ワンルーム：29㎡以下
• 1LDK：30～49㎡以下
• 2LDK：50～69㎡以下
• 3LDK：70～99㎡以下

間取り	賃貸物件の家賃相場
ワンルーム	6万5,687円
1LDK	8万5,303円
2LDK	10万9,351円
3LDK	12万1,179円

東京都練馬区の中古マンションの売却相場価格は、2LDKで5,110万円でした。

仮に2LDKを30年間賃貸した場合、単純計算すると（約11万円×12ヶ月）×30年間＝約3,960円です。居住年数次第ですが、安さを重視する場合は賃貸物件のほうがお得かもしれません。

練馬区のマンション売却価格は今後どうなるのか

東京都練馬区の今後の人口推移から、不動産価格の変化を予想しましょう。

国立社会保障・人口問題研究所の「日本の地域別将来推計人口（平成30（2018）年推計）」の情報をもとに、練馬区の人口推移をまとめました。

	2025年	2030年	2035年
総計	76万8,303人	78万2,599人	79万2,365人
30～50歳未満	20万2,827人	19万6,895人	19万0,151人

2025年から2035年にかけて総計の人口は、増加すると予想されています。

しかし、マイホームを購入する年代である30～50歳未満の人口は、同時期に約13,000人減少する見込みのため、10年後はマンション売却相場価格が下がっているかもしれません。

また、総務省の「住民基本台帳人口移動報告」によると、15～34歳の転入が増加し、35〜59歳は転出していることが分かりました。

練馬区における賃貸物件の需要は維持されそうですが、持ち家需要については、金利上昇や建築費の上昇などの影響も伴って、さらに減っていくでしょう。

子育て世帯に人気の物件は？

東京都練馬区で子育て世帯に人気の物件は、以下のとおりです。

おすすめのスポット

練馬区には人気のスポットが多いことも、住みやすいとされる理由の1つです。

今回は「石神井公園」と「光が丘公園」の2つを紹介します。

石神井公園

石神井公園は、石神井公園駅から徒歩7分ほどの場所に位置し、大きな2つの池が特徴です。

公園では遊具や広場での遊びだけでなく、石神井池でのボート乗りや三宝寺池周辺の天然記念物である沼沢植物群落の自然観察、石神井城跡などの史跡巡りなど、幅広い楽しみ方ができます。

光が丘公園

光が丘公園は、広大な芝生広場やバーベキュー広場、美しいいちょう並木、そして屋敷森跡地が魅力の都立公園です。

特にちびっこ広場には遊具があり、小さな子どもたちも安心して遊ぶことができます。

また、予約制のデイキャンプ広場ではかまどや調理台が完備されており、家族や友人とのアウトドア体験が人気です。

新築・中古マンションの相場の調べ方

不動産売買を検討している場合、自分でも相場を把握しておくことが大切です。

相場を把握していれば不動産査定の際に査定価格が妥当かどうか判断できるほか、購入時には相場より高い物件を避けたり、交渉の際に役立ったりします。

レインズマーケットインフォメーション

「レインズマーケットインフォメーション」は、国土交通省指定の不動産流通機構が運営しており、過去1年間の成約事例が掲載されています。

不動産情報ライブラリよりも成約物件の詳細な情報をチェックすることが可能です。

不動産情報ライブラリ

「不動産情報ライブラリ」は、国土交通省が過去に不動産取引の経験がある方を対象にアンケートを行い、その結果をデータベース化したものです。

データ量は豊富ではないため、不動産取引の少ないエリアによっては情報が出てこないケースもあります。

不動産ポータルサイト

不動産ポータルサイトは、販売中のマンション情報をチェックできるサイトです。

掲載されている売出価格のまま成約するとは限りませんが、類似物件の売出価格を確認することで相場を把握することが可能です。

まとめ

練馬区のマンション売却相場価格・賃貸物件の価格は、ともに東京23区内で見ると低い水準に属していることが分かりました。

直近でマンション売却相場価格が下落する可能性は高くありませんが、人口減少や金利上昇、建築費の上昇などの影響も伴って、10年後には物件価格が下がるかもしれません。

売却・購入を検討している方は、ライフプランや金利動向などを踏まえて検討してください。

また、東京エリアのマンション相場について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
東京エリアの新築・中古マンション相場価格は？今後の展望も考察