マンションを売却するのであれば、もちろんどんな方も利益を最大化したいと思いますよね。利益を最大化するにはいろいろなポイントがありますか、その中でも時期はとても見極めが大事。
今回はこのマンション売却に最適な時期やタイミングを不動産のプロである私が丁寧に解説していきます。
これからマンション売却をお考えの皆様、ぜひ最後まで読んでみてください。
マンション売却に適した時期(季節)
築年数 | 平均売却価格 |
---|---|
新築~5年 | 6,638万円 |
築6~10年 | 6,193万円 |
築11~15年 | 5,543万円 |
築16~20年 | 5,250万円 |
築21~25年 | 4,290万円 |
築26~30年 | 2,832万円 |
築31年以上 | 2,193万円 |
マンション売却に適した時期は、2月・3月です。4月から始まる新生活のために、2月・3月の時期にマンションを購入する人が多く、1年の中でマンション需要はピークに達します。
この時期に不動産相場の適正価格で販売していれば、早く売れる可能性が高いでしょう。
マンション売却に適した時期は、2月・3月
先述の通り、2月・3月の時期にマンションを購入する人が増えるため、マンション売却しやすい時期と言えます。不動産業界では、2月・3月は1年の中で1番の繁忙期のため売買件数が増加します。
2月・3月は、好条件でマンション売却できる可能性が高い時期だと言えるでしょう。
以下の表は、東日本不動産流通機構が公表している2021年の首都圏地域別中古マンション(東京都)の成約件数を表したものです。
月 | 成約件数 |
---|---|
1月 | 1,775件 |
2月 | 1,824件 |
3月 | 2,221件 |
4月 | 1,757件 |
5月 | 1,675件 |
6月 | 1,609件 |
7月 | 1,555件 |
8月 | 1,275件 |
9月 | 1,610件 |
10月 | 1,765件 |
11月 | 1,782件 |
12月 | 1,521件 |
2月・3月が、他の月と比べて成約件数が多い時期ということがわかります。特に3月に成約するように、遅くても1月の初旬には売りに出している状況が望ましいでしょう。
早い人は12月・1月から物件を探し始める
一般的には、年が明けた時期に物件を探し始める人が多いですが、早い人は12月から2月・3月に契約できるように探し始める人もいます。しかし、上記の表からもわかる通り、12月・1月の成約件数は多いとは言えません。
あくまで2月・3月の時期に契約するために早めに検討を始めているだけです。早めに検討を開始することによって、購入希望のエリアの平均価格を把握し、条件の良い物件が出た場合に備えているのです。
しかし、12月・1月に既に売りに出している状況であれば、早めに検討している人のアンテナに引っかかり、成約する可能性はあがるでしょう。
マンション売却を避けるべき時期
それでは反対にマンション売却を避けるべき時期はいつでしょうか。
マンション売却に避けるべき時期は、8月・12月
マンションが売れづらい8月・12月は、マンション売却を避ける時期と言えます。暑い季節である8月は、お盆休みもあるため不動産業界では、来客数が少ない時期の1つです。
来客数が少ない原因として、売却するために引っ越ししている場合、中古マンションにはエアコンがないケースがあり、冷房の効いていない部屋での内覧することが挙げられます。
一般的に中古マンションを検討する場合は、複数のマンションを見学するため、暑い8月に中古マンションを複数見学することが現実的ではないため、検討を先送りにしがちです。
また、12月も不動産業界では来客が少ない時期になります。12月後半になると年末が近づき忙しくなる人も多いためマンションをじっくり検討する人が少なくなります。
好条件でマンション売却したい人は、8月・12月の時期は避けることをおすすめします。
しかし、売却したいマンションが大規模マンションである場合など、通常であれば競合が多いようなマンションであれば、あえて不動産業界では来客が少ない8月・12月の時期に売却する選択肢もあります。
競合が多い時期
マンションを売却に出す時に、同じマンションや近隣のマンションで築年数や面積が似た物件が売りに出される場合など競合がある時期は避けたほうがいいでしょう。
競合する物件にもよりますが、一般的に競合物件とは値引き合戦になるため失敗する可能性があります。
競合する物件よりも明らかに優勢の場合はそんなに影響がないかもしれませんが、競合する物件のほうが面積や階数が優位の場合は、値下げ交渉が入りやすく、成約までの期間も長くなりがちです。
マンション売却では売却期間を考慮する
マンション売却に適した時期は、2月・3月ということがわかりましたが、具体的に動き出すタイミングはいつがいいのでしょうか。
一般的に、マンション売却にかかる売却期間は、不動産の査定から引き渡しまでの一連の流れで、3ヶ月〜6ヶ月と言われています。マンションの築年数などによって変わりますが、2月・3月の時期の成約を目指すのであれば、前年の秋頃には査定の準備を始める必要があります。
マンション売却の準備には、不動産会社への査定依頼から媒介契約、リフォーム、ハウスクリーニングなどが挙げられます。
余裕をもったスケジュールを組むことが、マンション売却の成功を高めるカギと言えます。
時期以外に大切なポイント
マンション売却において、時期以外の大切なポイントを紹介します。
マンション市況、中古マンション相場
マンション売却をせいこうさせるためには、マンション市況を考慮する必要があります。マンション市況が活発で、中古マンション価格が上昇傾向の時がマンション売却の最適なタイミングと言えるでしょう。
国土交通省が毎月公表している不動産価格指数を見ると、マンション価格は2013年よりずっと上昇していることがわかります。2010年を100とした不動産価格指数は、2023年には190と1.9倍もの数値となっています。
平均価格 | |
---|---|
2018年 | 3,333万円 |
2019年 | 3,442万円 |
2020年 | 3,599万円 |
2021年 | 3,869万円 |
2022年 | 4,276万円 |
レインズ(東日本不動産流通機構)が公表している首都圏中古マンション平均価格によると、5年連続で上昇していることがわかります。
2022年の平均価格は4,276万円で前年比約10.5%上昇、2018年の中古マンション平均価格3,333万円からは約28.2%と大幅に上昇しています。
中古マンション価格が上昇している要因として、新築マンションの価格の高騰が考えられます。新築マンションの価格が上がれば、中古マンションの価格も上がるというのが、不動産業界で昔から言われている新築マンション価格と中古マンション価格の関係性です。
建築資材不足による価格の上昇や建築業界の人手不足による人件費の上昇などが新築マンションの価格上昇の要因として挙げられます。
今後もこの上昇トレンドは続くと見られていており、マンション市況は活発で中古マンション相場も上昇傾向が続くため、マンション売却には最適なタイミングと言えるでしょう。
築年数
マンション売却のタイミングを計る上で、売却するマンションの築年数も重要です。マンションの築年数は、売却価格に大きく影響し、日本においては築年数が経過するごとに価格が下がるのが一般的です。
築年数 | 平均売却価格 |
---|---|
新築~5年 | 6,638万円 |
築6~10年 | 6,193万円 |
築11~15年 | 5,543万円 |
築16~20年 | 5,250万円 |
築21~25年 | 4,290万円 |
築26~30年 | 2,832万円 |
築31年以上 | 2,193万円 |
上記の表は、レインズ(東日本不動産流通機構)が公表している「築年数から見た首都圏の不動産流通市場2022年」から抜粋した首都圏の中古マンションの築年数ごとの平均価格です。
築年数ごとに徐々に価格が下がり、築26年を超えると大きく価格が下がっていることがわかります。
なるべく高い金額で売りたい場合のマンション売却のタイミングとしては、築25年までを目安に考えるといいでしょう。
また、マンションは寿命が来たら建て替えができる戸建て住宅と違い、建替えは現実的ではありません。東京カンテイによるとマンションは全国平均で約40年で建替えられていますが、いままでで282棟しか実例がありません。
国土交通省によると、2022年末現在の築40年以上のマンションの戸数は全国で約125.7万戸あるのに対し、約2.3万戸しか建替えられておらず、わずか約1.8%です。
マンションの建て替えが進まない理由は、建て替え費用の問題や建替え制度の難しさなどがありますが、建替えはできないと覚悟しておきましょう。
耐用年数が長いとはいえ、いくら修繕をしてもマンションに住み続けることは難しく、手放すことになるでしょう。現実的には、マンション売却という選択になります。
全国の建替え事例の検証2022年(東京カンテイ)
マンション建替え等の実施状況2023年3月(国土交通省)
築40年以上の分譲マンション数の推移2022年(国土交通省)
税金
マンション売却のタイミングによって、納める税金の金額が変わります。マンション売却によって利益がでた場合には、「譲渡所得税」がかかります。譲渡所得税とは、不動産に限らず、株式、貴金属などの所有物を売却して得られた利益にかかる税金のことです。
マンション売却までの所有期間ごとの譲渡所得の税率は以下の通りです。
所有期間 | 所得税 | 復興税 | 住民税 | 合計 |
---|---|---|---|---|
短期譲渡所得 | 6,638万円 | |||
(5年以内) | 30% | 0.63% | 9% | 39.63% |
長期譲渡所得 | 5,543万円 | |||
(5年超え) | 15% | 0.315% | 5% | 20.315% |
マンション売却までの所有期間が5年を境に税率が変わりますので注意しましょう。
ライフイベント
マンション売却のタイミングは、家族と相談して、結婚や出産、転勤などライフスタイルが変わる時期に合わせることも重要です。
ライフイベントの時期は個人によって変わるため、高く売却できるかどうかはわかりませんが、人生において、お金以外のものを優先することも大切でしょう。
まとめ
マンション売却における最適な時期は、2月・3月です。マンション需要がピークのこの時期に少しでも高く売るために余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
また、マンション市況や築年数などマンション売却におけるタイミングのポイントはさまざまあり、重視するポイントは人によって異なるため、自分にあった最適なタイミングで判断することをおすすめします。