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マンション売却の手取りはいくら?計算方法や費用を紹介!
マンション売却の手取りはいくら?計算方法や費用を紹介!

不動産のプロがマンション売却時の手取りの計算方法や手取りを増やす方法を解説

マンション売却で得られる手取りを、新居に充てたいと考えている方は多いでしょう。しかし、マンション売却において儲かった売却価格のすべてが手取りにはならないため注意が必要です。

この記事では、マンション売却の手取りの計算方法や手取りを増やす方法を紹介します。

目次

マンション売却の手取りの計算方法

マンション売却の手取りの計算方法

マンション売却の手取りの計算方法は、以下のとおりです。

手取り=マンション売却価格ー諸費用ー税金ー住宅ローン残高

手取りを正確に把握するためには、マンション売却の価格がいくらになるのか知っておく必要があります。複数の不動産会社に査定を依頼することで、大まかな売却価格や相場を把握できるでしょう。

マンション売却にかかる諸費用

マンション売却の手取りを計算するためには、諸費用にいくらかかるのか知る必要があります。ここでは、マンション売却にかかる諸費用を紹介します。

仲介手数料

マンション売却をする際は、仲介してもらった不動産会社に成功報酬として仲介手数料を支払うのが一般的です。

仲介手数料はマンションの売却価格によって異なり、売却にかかる費用のなかでも特に金額が大きくなりやすいため、あらかじめ金額を把握しておきましょう。

仲介手数料の上限額は宅建業法で定められており、具体的な計算式は以下のとおりです。

マンションの売却価格 仲介手数料の上限
200万円以下 売却価格×5%+消費税
200万円超から400万円以下 売却価格×4%+2万円+消費税
400万円超 売却価格×3%+6万円+消費税

5,000万円で売却した場合の仲介手数料をシミュレーションしてみると、5,000万円×3%+6万円+消費税=171万6,000円になります。

住宅ローンの一括返済にかかる手数料

住宅ローンの一括返済にかかる手数料とは、毎月返済していた住宅ローンの残債を一度にまとめて金融機関に返済する際にかかる手数料です。

マンション売却時に住宅ローンが残っている場合は、売却代金を充てて一括返済することになります。手数料は金融機関によって異なりますが、相場は5,000〜30,000円が目安です。

ハウスクリーニング費用

マンション売却でハウスクリーニングを利用する場合はお金がかかります。

特に築年数の古い不動産は水回りの汚れや臭いが目立つため、内見に備えて利用することもあるでしょう。

プロに依頼する場合は室内状況や部屋の大きさによって料金が変動し、荷物のない空室のほうが安くなる傾向にあります。

3LDK~4LDKの料金相場は50,000~80,000円です。日頃からこまめにお手入れをしておけばハウスクリーニング費用を抑えられるため、手取りも増えるでしょう。

引っ越し費用・仮住まいの費用など

マンション売却において居住中に売る場合は、新居への引っ越し費用がかかります。

また、マンション売却が完了しても新居が見つかっていない場合は仮住まいが必要です。

引っ越し費用は依頼する業者や荷物の量、移動距離、依頼する時期によって大きく異なります。

引っ越しシーズンといわれる3〜4月は引っ越し費用が高額になりやすいため、手取りを増やしたい場合は避けるといいでしょう。

売却にかかる税金の種類

マンション売却の手取りを計算するためには、税金がいくらかかるのか把握することも大切です。ここでは、マンション売却にかかる税金を紹介します。

譲渡所得税

マンション売却によって利益(売却益)が発生した場合は、その利益に対して譲渡所得税が課税されます。譲渡所得税は、所得税・住民税・復興特別所得税の3つの税金の総称です。計算式は以下のとおりです。

譲渡所得=売却価格ー取得費ー譲渡費用ー特別控除

譲渡所得税=譲渡所得×税率

最初の計算式を見ると、取得費や譲渡費用の金額が大きければ譲渡所得の金額が下がるため、税金を抑えることができ、より多くの手取りを残せることが分かります。

ちなみに取得費は、仲介手数料や登録免許税などマンション購入時に支払った費用から減価償却費を控除した金額です。

購入費用が分からない場合は概算取得費として売却価格の5%が取得費として計上されますが、その場合は手取りが減ります。

譲渡費用は、仲介手数料や印紙税などマンション売却にかかった費用です。登録免許税や引っ越し費用などは譲渡費用には含まれません。譲渡所得がプラスになった場合は税率をかけて譲渡所得税を算出します。

税率は売却するマンションの所有期間によって異なり、所有期間が5年を超えると税率は大きく下がるので、手取りを多めに残すことが可能です。

譲渡所得の種類 所得税率 住民税率 復興特別所得税 合計税率
短期譲渡所得 30% 9% 0.63% 39.63%
長期譲渡所得 15% 5% 0.315% 20.315%

※参考:国税庁「No.3202譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」より筆者作成

印紙税

印紙税はマンション売却の際に必ず納める税金の1つです。なぜなら、不動産の売買契約書は印紙を貼らなければならない課税文書だからです。

印紙税の金額は売買契約書に記載された売買価格によって決まっており、令和6年3月31日までに作成されるものは軽減税率が適用されます。

契約金額 本則税率 軽減税率
10万円超え50万円以下 400円 200円
50万円超え100万円以下 1,000円 500円
100万円超え500万円以下 2,000円 1,000円
500万円超え1,000万円以下 10,000円 5,000円
1,000万円超え5,000万円以下 20,000円 10,000円
5,000万円超え1億以下 60,000円 30,000円

※参考:国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」より筆者作成

登録免許税

マンション売却の際に住宅ローンが残っている場合は、抵当権を抹消するのに登録免許税がかかります。

抵当権とは、住宅ローンを借りる際に金融機関がマンションを担保にするために設定する権利です。抹消せずに売却することはできません。

また、土地や一戸建て、マンションなどの不動産は、所有者や所在地、抵当権などの情報を法務局の登記簿で管理しています。そのため、売買取引が行われた場合は登記情報を変更しなければならないのです。

抵当権抹消の登録免許税は不動産1個につき1,000円であり、土地と建物のそれぞれにかかります。つまり、マンション売却では2,000円かかるのが通常です。

加えて、司法書士に依頼する場合の相場は10,000~30,000円となります。抵当権抹消手続は複雑であるため、手取りを増やしたくてもできるだけ代行を依頼しましょう。

消費税

マンション売却は、成功報酬として不動産会社に支払うものに仲介手数料がありますが、これに消費税が上乗せされます。売却価格が高額であるほど仲介手数料と消費税額も大きくなり、手取りが減ることを覚えておきましょう。

手取りを増やすためのコツ!特例を利用する

マンション売却で利益が出た場合は譲渡所得税を納める必要がありますが、一定要件を満たすと税額控除や特例が利用できます。上手に利用して手取りを増やしましょう。

  • 居住用財産の3,000万円特別控除
  • 軽減税率の特例
  • 特定の居住用財産の買換えの特例

居住用財産の3,000万円特別控除

売却したマンションを居住用として使用していた場合に、譲渡所得から3,000万円を控除できる制度です。

単純に売却価格が3,000万円であれば譲渡所得がかからないため、税金は0円になります。仮に3,000万円を超えていたとしても、特別控除の適用によって節税できるため、手取りは大幅に増えるでしょう。

軽減税率の特例

売却したマンションの所有期間が10年を超えている場合、譲渡所得に軽減税率が適用されます。軽減税率の特例を利用した場合の税率は、以下のとおりです。

  • 課税譲渡所得の6,000万円以下の税率は14.21%
  • 課税譲渡所得の6,000万円超えの税率は20.315

軽減税率の特例と居住用財産の3,000万円特別控除を併用することで、さらに手取りを増やせます。

特定の居住用財産の買換えの特例

所有期間が10年を超えるマンションを住み替えるときに利用できる特例であり、売却で発生した利益への課税を先送りにできます。

あくまでも先送りであり、税金の支払いを免除するものではありません。また、3,000万円特別控除および軽減税率の特例との併用はできないため注意が必要です。

まとめ

マンション売却の手取りは、売却価格から諸費用や税金、住宅ローン残高を差し引いて残った額です。

この記事で紹介した内容をもとにシミュレーションしてみてください。

また、マンション売却では仲介手数料や譲渡所得税が高額になりやすいため、手取りが増えるように特例控除などを利用しましょう。

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