「マンション売却って難しいの?」そんな不安を抱える方は少なくありません。
初めてのマンション売却に挑むと手続きや価格設定、費用・税金などさまざまなことが気になり、戸惑ってしまうことが多くなります。しかし、しっかりとした準備と知識を持っていればマンション売却をスムーズに進めることは可能です。
この記事では、マンション売却が難しいといわれる理由や成功させる方法・コツ、売却にかかる費用・税金などを紹介します。
マンション売却が難しい理由とは?
マンション売却は一見シンプルな手続きに思えますが、実際には多くのステップや複雑な法律が絡んでおり「難しい」と感じる方も少なくありません。特に以下の要因がマンション売却を難しくする主な理由として挙げられます。
難しい理由①価格の設定が難しい
売主にとっては「なるべく高い価格で売りたい」という願望がありますが、市場価格や買主の意向を無視した価格設定は、結果的に売れ残る原因になります。
自分でも事前に相場価格を把握するのはもちろん、複数の不動産会社に査定を依頼するなどして適正価格を見極めることが大切です。
難しい理由②競合物件が多い
同じエリア内やマンション内で類似物件が多数存在する場合、買主の選択肢が増え、マンション売却が難しい場合があります。
例えば、都内の人気エリアに位置するマンションでは同じ築年数や間取りの物件が多く、競争が激化することが少なくありません。このような状況では特に魅力的な条件でない限り、他の物件に比べて注目されにくくなるのが現実です。
難しい理由③市場の動向やタイミングが合わない
不動産市場は常に変動しており、景気や金利、季節の要因によっても不動産の売りやすさが変わります。
これに加えて、需要と供給のバランスが取れていない時期に売りに出すと、売却期間が長引く可能性があります。
マンション売却を成功させる方法は、売れやすい時期を見極めることです。特に2月から3月、9月から10月の期間は人の動きが活発になるため、マンション売却に向いているとされています。
難しい理由④マンション売却が完了するまで数ヶ月かかる
マンション売却は査定から売買契約、引き渡しに至るまで半年以上の期間を要することが一般的です。
ただし、売却期間が長引くこともあり、スムーズに進めるのが難しい場合もあります。
東日本不動産流通機構のデータを見ると、首都圏における中古マンションの平均売却期間は約3ヶ月です。なお、以下のデータは売り出しが開始されてから成約に至るまでの期間です。不動産会社に査定を依頼している期間や、確定申告までの期間は含まれていません。
年度 | 日数 |
---|---|
2021年 | 72.1日 |
2022年 | 73.0日 |
2023年 | 82.6 日 |
※参考:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2023年度)」
難しい理由⑤必要書類の準備に手間がかかる
マンション売却をする際には、多くの必要書類を準備しなければなりません。
例えば、登記済権利証または登記識別情報通知、固定資産税評価証明書、印鑑証明書など、法的に求められる書類は多岐にわたります。
特に初めてのマンション売却では何を用意すればよいのか分からず戸惑うこともあり、準備が難しいと感じることもあるでしょう。書類によっては平日にのみ取得できるものや交付に時間のかかるものもあるため、余裕を持った行動が大切です。
難しいマンション売却を成功させるための方法・コツ
ここでは、マンション売却を成功させるための方法・コツを紹介します。
不動産会社選びのコツ
不動産会社選びは、マンション売却の成功にとって非常に重要です。信頼できる不動産会社を選ぶためには、口コミや評判をしっかりと確認しましょう。インターネット上のレビューや、友人・知人からの意見を参考にすることで、実績や専門性を把握できます。
また、複数の不動産会社から査定を受けることが大切です。複数の不動産会社に査定を依頼することで、マンションの適正価格を把握できます。ここで注意が必要なのは、査定価格を極端に高く提示してくる会社です。
高額査定は魅力的ですが実際には買主が見つからず、売却が難しい場合があります。最終的に売却価格の値下げを提案されるため、査定の根拠を聞くなどして慎重に検討することが重要です。
査定のポイントと適正価格の見極め方
正確な査定価格を得る方法として「机上査定」だけでなく、実際に物件を見てもらう「訪問査定」を受けることが必要です。現地査定によってマンションの状態や立地条件、周辺環境などが正確に反映され、より具体的な査定が可能になります。
しかし、物件の特性や市場の動向によっては適正価格の判断が難しい場合もあるため、複数社への査定依頼が重要です。
次に、近隣の売却事例を参考にすることもおすすめします。自分のマンションと類似物件がどのくらいの価格で売れたのかを調べることで、自分でも相場を把握しやすくなります。
この情報を基に適正価格の設定ができるため、より効果的にマンション売却を進められるでしょう。
時期選びと市場動向の把握
マンション売却を成功させるためには、売却するタイミングを慎重に選ぶことが重要です。
特に、2~3月や9~10月は引っ越しシーズンであり、買主の需要が高まる傾向があります。これは新生活を始めるために転居を希望する方や、転勤によって住み替えを検討する家族が多くなるからです。
また、市場動向を把握することも欠かせません。地域の不動産市場の動向や金利の変動、経済状況を定期的にチェックすることで、適切なタイミングを見極められるでしょう。
不動産売却にかかる費用と注意点
マンション売却にはさまざまな税金・費用がかかります。予めこれらを把握しておくことで、後々のトラブルを避けやすくなるでしょう。しかし、これらの費用の計算や手続きは複雑で、初めてのマンション売却では難しいと感じるかもしれません。
仲介手数料
マンション売却でかかる仲介手数料とは、不動産会社に支払う成功報酬を指します。仲介手数料はマンション売却価格によって異なり、不動産売却にかかる費用のなかでも特に高額になりやすいのが特徴です。
また、仲介手数料の上限額は宅建業法によって決められており、具体的な計算式は以下のとおりです。
マンションの売却価格 | 仲介手数料の上限 |
---|---|
200万円以下 | 売却価格×5%+消費税 |
200万円超から400万円以下 | 売却価格×4%+2万円+消費税 |
400万円超 | 売却価格×3%+6万円+消費税 |
例えば、3,000万円でマンション売却した場合の仲介手数料は、3,000万円×3%+6万円+消費税=105万6,000万円です。費用を正確に理解することが難しい場合は、不動産会社に相談しましょう。
その他の費用・税金
マンション売却では譲渡所得税が発生する可能性もあり、税務面についても確認が必要です。こうした税金の計算や手続きも、初めての方には難しいと感じるかもしれません。
仲介手数料以外の費用・税金 | 費用・税金の目安 |
---|---|
印紙税 | 1,000円~3万円※マンションの売却価格によって異なる |
抵当権抹消費用 | 不動産1個につき1,000円 |
司法書士報酬 | 1~3万円 |
住宅ローン一括返済の手数料 | 5,000~3万円 |
譲渡所得税 | 所有期間5年以下:売却益×39.63%、所有期間5年超:売却益×20.315% |
仲介と買取の違いとそのメリット・デメリット
マンションを売却する際には「仲介」と「買取」という2つの方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。自分の状況や優先事項に合わせて、最適な方法を選ぶことが大切です。
ただし、どちらの方法を選ぶべきか判断するのが難しい場合は、仲介・買取の両方で査定を受けるといいでしょう。
仲介
仲介は、不動産会社が買主を見つける一般的な売却方法です。メリットとしては、仲介を通じて市場価格に近い高額で売却できる可能性が高まる点が挙げられます。特に、エリアの人気や物件の状態が良ければ、買主が見つかりやすくなります。
しかし、買主がすぐに見つかるとは限らず、売却期間が長引く恐れも少なくありません。そのため、早くに現金が必要な場合や売却を急ぐ理由がある場合には、仲介によるマンション売却が適さないケースがあります。
買取
買取は不動産会社が直接マンションを買い取る方法で、短期間で売却を完了することが可能です。買取のメリットは、転勤や急な引っ越しが必要な場合など、すぐに手放したいときに便利な点です。
しかし、仲介を通じた市場価格に比べて、売却価格が低くなる点がデメリットです。通常、買取価格は市場価格よりも20~30%ほど低く設定される傾向にあります。
マンション売却は難しい?注意点やコツを押さえて成功させよう
マンション売却は、初めての方にとって特に難しいと感じることがほとんどです。成功させるためにも、マンション売却におけるいくつかの注意点や方法・コツを押さえておくことをおすすめします。
また、マンション売却を成功させるコツとして最も重要なのは、不動産会社選びです。信頼できる不動産会社を見極めるためにも複数の会社から査定を受け、口コミや評判を確認しましょう。この記事で紹介した注意点や方法・コツを押さえることで、難しいマンション売却もスムーズに進められるでしょう。
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